地理と地域一目千本桜と船岡城址公園
船岡城址公園と一目千本桜写真集 2022
撮影日:2022年4月11日
制作:千本桜 歌麿
設置日:2022.5.10
E-mail:tiritotiiki@gmail.com

案内図 地図
 2022年4月11日、桜は満開。カメラ片手に船岡城址公園と一目千本桜を散歩しました。桜まつりは中止になりましたが、麓の駐車場には次々と車が入ってきます。花曇りで蔵王の山並みがぼやけているのが残念。駐車場に車をとめて桜散歩スタート。桜坂を登り三ノ丸広場から観光交流物産館へ。スロープカーで山頂駅に到着。山頂から見渡す360度の大パノラマに気持ちがワクワク。花の丘柴田や平和観音像に立ち寄ったあとは徒歩で下山し、樅ノ木は残った展望デッキへ。人気スポットの千桜橋は相変わらずのにぎわいで、千桜公園には花が咲き乱れていました。船岡駅近くの、さくら歩道橋でひと休み。日本一ソメイヨシノの巨木に着いたのは、空がうっすら夕日に染まるころでした。
目 次
麓駐車場と中腹駐車場付近 写真21枚
麓の駐車場に車をとめて桜散歩スタート。中腹の駐車場ではシダレザクラが満開でした。スロープカーに乗って山頂へ向かいます。

舘山山頂と平和観音付近 写真19枚
山頂からの眺めは360度の大パノラマ。いつ見ても絶景です。花の丘柴田や平和観音像をめぐったあとは、急な坂道を歩いて下山しました。

樅ノ木は残った展望デッキ付近 写真13枚
「樅ノ木は残った展望デッキ」は一目千本桜を見渡す人気スポツトです。この日も大勢の花見客がデッキから春の景色を眺めていました。

千桜橋と千桜公園付近 写真19枚
千桜橋は船岡城址公園と一目千本桜をつなぐ歩道橋で超人気スポットです。千桜公園にはレンギョウ、ハナモモなどが咲き乱れていました。

さくら歩道橋と船岡駅付近 写真19枚
さくら歩道橋は一目千本桜と船岡城址公園の桜をいっぺんに見渡せる絶景スポットです。船岡駅周辺には大木の桜がたくさんありました。

日本一ソメイヨシノの巨木付近 写真23枚
大木の多い土手内地区の中でも特に大きいのが「日本一ソメイヨシノの巨木」です。夕日を背にして一目千本桜が咲き誇っていました。



 コロナ禍で桜まつりは中止になりましたが、麓の駐車場(しばたの郷土館前)には次々と車が入ってきます。中腹の駐車場(観光交流物産館前)が閉鎖されているので、麓の駐車場に車をとめて桜散歩スタート。目の前には桜の花で覆われた船岡城址公園が広がっています。黄色いレンギョウの花が目につく桜坂を登って三ノ丸広場へ。本来なら花見客で大にぎわいの三ノ丸ですが、出店もなく静かです。大きな忠魂碑の下では高齢夫婦がのんびりと。どんな話をしてるのかな?
 中腹の駐車場は城址公園の中央に位置し、花見客が行き交っています。写真映えしそうなシダレザクラが見ごろを迎えていました。この桜は下手でも美しく撮れるから不思議。どうだ、フォトジェニックだろ。観光交流物産館「さくらの里」で早速ひと休み。ときどき休まないと体がもちません。
 山頂駅へ向かうスロープカー乗り場には、乗車待ちの行列ができていました。待たされるのは辛いけど、歩いて登るのはもっと辛いので、じっと我慢して順番を待ちます。帰り道は歩くことにして、とりあえず片道切符を購入。スロープカーは雲海のように広がる桜の中を、3分40秒かけてゆっくり登って行きます。



 スロープカーで山頂駅に着きました。眼下に船岡の街並みが広がっています。まずは里山ガーデンハウスでトイレ拝借。花の丘柴田には、ビオラ、モクレン、ハナモモなどが咲いています。柴田町は花のまちですが、良く手入れして次々に花を咲かせている関係者に、感謝を込めて声援を送ります。
 標高136mの舘山山頂には、原田甲斐と柴田外記の供養塔、国土地理院三角点、平和観音像、天空カフェなどがあります。高さ24mの平和観音像は、柴田町出身の故野口徳三郎翁が1975年に建立したもので、柴田町のシンボルとなっています。天空カフェは繁忙期なので開店していましたが、普段は閉まっているので要注意。同じく、スロープカーの運行日も要注意です。
 戦後の仙南で、もっとも激しく変化した町は船岡です。山のふもとには、町なのに市のように大きな市街地が広がっています。市街地を二分して流れるのは白石川で、その土手に植栽された桜並木が一目千本桜です。山頂から眺める360度の大パノラマはまさに絶景。この山は、もっと多くの人に知ってほしい里山です。ただし、花曇りで蔵王連峰がぼやけて見えたのは残念。



 山頂から急な坂道を下りて中腹の駐車場へ。そこから「樅ノ木は残った展望デッキ」へ向かいます。「樅ノ木は残った展望デッキ」って、名称が長すぎ。なんとかなりませんか。地図を描いていて、やったら字数の多い施設名に出くわすと困惑する。「やながわ希望の森公園前駅」だけでも長いのに、ひらがなで「やながわきぼうのもりこうえんまええき」と表記してくれと頼まれたら「なんでやねん」となる。
 「樅ノ木は残った」は1970年に放送されたNHKの大河ドラマです。放送をきっかけに船岡城址は一躍観光スポットになり、一時は船岡駅に特急列車も停車しました。そしていま、船岡城址公園は花咲山構想のもと、積極的に花を植栽し、散策路を整備し、イベントを開催し、一年中楽しめる観光地を目指して進化し続けています。
 展望デッキからの眺めは絶景で、眼下を県道50号、東北本線、一目千本桜、白石川、国道4号が束になって走ります。空気が澄んだ日は、残雪の蔵王と一目千本桜が織りなす春の風景を眺望できますが、この日は霞でぼやけていました。ジグザグに折れ曲がった遊歩道を下りると、超人気スポットの千桜橋が待っています。



 千桜橋(せんおうきょう)は船岡城址公園と一目千本桜をつなぐ歩道橋で、2015年に開通しました。それまでは船岡城址公園と一目千本桜が東北本線で分断され、自由に行き来できませんでした。目と鼻の先にあるのに、往来できないもどかしさを感じていた花見客は多かったはずです。千桜橋は、そんな「もどかしさ」を一挙に解決し、花見客の行動パターンを変えたヒット施設です。
 桜と電車のコラボ写真が撮れる千桜橋には、撮り鉄はじめ多くの花見客が集まってきます。機関車「金太郎」に牽引されて走る長い長い貨物列車を見ていると、童心に帰るから不思議です。連なる桜並木は一目千本桜で、量感あふれる桜景色が柴田町と大河原町にまたがって9kmも続いています。一目千本桜は、満開の大木や老木たちが発散するボリューム感で、他の桜名所を圧倒します。
 千桜橋の下には、鷺沼排水路を活用した親水公園が整備されています。その名は「千桜公園」。サクラ、レンギョウ、ユキヤナギ、ハナモモのほかにも色々な草花が咲き乱れ、まさに「花の園」といったところ。植栽されたばかりの頃は貧弱だったレンギョウも大きくなり、鮮やかな黄色が存在感を振りまいていました



 千桜橋から大河原駅までゆっくり歩いて40分、船岡駅まで20分です。船岡駅へ向かって歩きます。時刻は午後4時。花見客もだいぶ帰ったようで、静かになりました。このあたりは、土手の上の道路のほかに、土手の下にも散策路が整備してあり、どちらを歩いてもOK。土手を登ったり下ったり、角度を変えて桜並木を観察。結構、疲れます〜。
 見落としがちだが、石にペイントしたキロポストが所々に置いてあります。大河原駅と船岡駅までの距離と所要時間が記してあるので意外と便利。一目千本桜は老木や大木が多い。見てくれ、風雪に耐えた老木たちの威厳に満ちた樹形を! うむ、みごとな造形美。一本一本がそれぞれ個性的なのだ。
 行く手に見える白いアーチ橋は、2001年に完成した「さくら歩道橋」です。さくら歩道橋は船岡駅と対岸の住宅街を結ぶ橋ですが、景観に溶け込むようにデザインされ、橋の上にはベンチまで設置してある。歩き疲れて足取りが重くなってきた。さくら歩道橋のベンチに腰を下ろして、スポーツドリンクをガブ飲み。ささやかな幸せのひと時である。さくら歩道橋から船岡駅北口までは徒歩2分。駅で飲み物を購入。ついでにトイレ拝借。



 船岡駅から「日本一ソメイヨシノの巨木」を目指して歩きます。県道116号の柴田大橋たもとを横断し、桜並木を直進します。ここは船岡土手内地区。秋には土手に植えられた曼珠沙華が咲いて、彼岸花ロードになります。老木、大木の桜が多い所ですが、日が傾いてきたので花見客はほとんどいません。なぜだか知らぬが夕暮れ時はさびしそう。
 以前、この河川敷に牛が数頭、放し飼いされていたのを思い出した。通りかかったご婦人に「あの牛は夜もここにいたんですか?」と聞くと、「いえいえ、夜はあそこの家の人が牛舎へ連れて帰っていました」とのこと。河川敷とはいえ、住宅街のすぐそばで牛が放牧されていることが可笑しくて、不思議な光景だな、と眺めていたものです。
 「日本一ソメイヨシノの巨木」は何度も見ているが、気のせいか少し小ぶりになったように感じる。この「日本一」は、柴田町さくらの会が認定したもので、よその地方にはもっと大きなソメイヨシノがあるのかもしれない。時刻は午後6時をまわって、あたりが薄暗くなってきました。傾いた太陽へ向かってシャッターを押したなら、駐車場へ戻って家へ帰ろう。ああ、韮神山に日が落ちる。
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