地理と地域一目千本桜と船岡城址公園

一目千本桜 必見スポット
大河原駅から船岡駅まで、3.5km区間の必見スポットを紹介します
制作:千本桜 歌麿
設置日:2023.3.27
E-mail:tiritotiiki@gmail.com

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 一目千本桜(ひとめせんぼんざくら)は白石川の土手に植栽された桜並木で、延々8.5kmにわたって連なっています。当ページは、一目千本桜の中でも特に人気の高い「大河原駅〜船岡駅3.5km区間」にスポットをあてて紹介します。大河原駅から船岡駅までの3.5km区間は、必見スポットが続出する人気コースです。所要時間は普通に歩けば50分ですが、お花見しながら歩くので、2〜4時間を予定してください。それでは大河原駅から歩き始めましょう。撮り溜めしていた写真を使って紹介します。

目次


 仙台駅から36分、福島駅から47分で大河原駅に到着します。渋滞がないので、電車利用をおすすめします。大河原駅は白石駅・岩沼駅・仙台駅・塩釜駅とともに、宮城県で最初に開業した5駅の1つです。仙台の通勤圏なので利用客が多い駅です。



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 大河原駅は駅舎が小規模な割には利用客が多く、売店(ニューデイズ)もあります。お花見シーズンは電車が着くたび、どっと花見客が降りてきて活気づきます。それでは最初の必見スポット・桜まつり会場へ行ってみましょう。


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 駅舎を出ると、目の前にはオシャレな駅前広場が広がっています。正面の大きなビルは駅前再開発ビル「オーガ」です。町なのにシティみたいでしょう。お花見シーズンは、この駅前広場に臨時の観光案内所が開設されます。


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 駅前通りを直進して桜まつり会場へ向かいます。駅前通りは大河原のメインストリート。シーズン中は花見客で混雑します。信号のある交差点角にはコンビニがあります。さくら祭り会場の入口・尾形橋(おがたばし)はすぐそこです。



 大河原駅から200m、徒歩3分で桜まつり会場に着きます。場所は白石川の河川敷です。桜まつりはコロナ禍で3年続けて中止。今年は4年ぶりの再開です。しかも一目千本桜植樹100周年。大勢の花見客でにぎわいそうな予感がします。



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 駅から徒歩3分で尾形橋に着きます。正面には、赤白に塗られたNTTの鉄塔が見えます。この橋の下が必見スポットの桜まつり会場です。白石川に架かる尾形橋は大河原の中心。大河原の桜まつりは、町のドマンナカで開催されるのです。


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 尾形橋から見わたすと、桜まつり会場はあふれるような桜と人の波。今年は屋台の出店・ステージイベント・夜桜ライトアップはありますが、屋形船は運航しません。いつもは桜まつり会場から屋形船が出るのですが残念です。


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 桜まつり会場は一目千本桜の中で最もにぎわう場所です。例年は30数店の屋台が建ち並んで、お祭りムードを盛り上げます。土産品・おやつ・酒類、いろいろ売っています。天候によりますが土曜・日曜は大混雑することを覚悟してください。


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 一目千本桜の魅力は、大木の量感あふれる満開の花です。一目千本桜はボリューム感で他の桜名所を圧倒します。桜並木の道を歩くも良し、広場にシートを広げて宴会するのも良し。花見客は思い思いに春の一日を楽しんでいます。


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 ついでに夜桜を紹介。桜まつり会場は夜になるとライトアップされ、夜桜ムードに切り替わります。日中は子供から高齢者まで幅広い年齢層の花見客でにぎわいますが、夜桜は若い人が中心になります。機会があったら夜桜もお楽しみ下さい。



 桜まつり会場の隣に末広歩道橋(すえひろほどうきょう)があります。橋の長さは約150m。歩行者専用ですから車は通れません。白石川の両岸に咲く桜並木を一度に見わたせる必見スポットで、これぞ一目千本桜! といった風景が広がります。



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 末広歩道橋は必見スポットですが、知らずに通りすぎる人も多いようです。どうぞ橋の中央まで進んでください。蔵王連峰がきれいに見えますよ。この橋はドカドカ歩くと揺れますが、関係者の話では、心配しなくてよいそうです。


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 花見客が歩道橋から桜をながめています。川の両岸には市街地が広がっています。橋の手前は、明治以降に市街化された大谷(おおや)地区。橋の向こうは、江戸時代の宿場町(大河原宿)を基に発展した町並みで、そこが本来の大河原です。


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 末広歩道橋から上流方向を見ると、すく隣に県道14号の末広橋が走っています。この橋は車両専用なので人は渡れません。その奥に見えるのは尾形橋です。末広橋と尾形橋の間には屋台が建ち並び、尾形橋より上流は駐車場となっています。


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 反対に下流方向をながめると、川の両岸に延々と桜並木が続いています。これぞ一目千本桜! 川岸には町並みが広がっているのに、のどかで牧歌的。心が解放される風景です。みなさんも末広歩道橋で深呼吸しながら心を解放しましょう。


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 「どこまで行っても同じ桜が続くだけ」という声も聞こえますが、そんなことを言わずに韮神堰(にらがみぜき)を目指して歩きましょう。桜は一本一本が個性的。この木は「俺を撮ってくれ」と言っているようなのでシャッターを押しました。


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 一目千本桜は今年で植樹100年。老木が多いのが一目千本桜の特徴。この老木は幹が2つに裂けて痛々しい姿です。もう寿命が近いのでしょうか。それでも一所懸命、咲いています。それぞれの木にも生き様というのがあるようです。



 末広歩道橋から800m、徒歩10分で韮神堰(にらがみぜき)に着きます。韮神堰は一目千本桜随一の景勝地で、観光ポスターでもおなじみです。清流の白石川・満開の桜・残雪の蔵王が織りなす風景は、東北地方の春を代表する必見スポットです。



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 韮神堰に着きました。白石川が満々と水を湛え、ゆるやかに流れています。例年なら、桜まつり会場と韮神堰の間を屋形船が周航しますが、コロナ禍で3年間中止。今年も運航しません。カヌーやカヤック愛好家が水面に舟を浮かべています。


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 一目千本桜は残雪の蔵王とコラボするとき、美の本領を発揮します。韮神堰からよく見えるのは南蔵王です。三角形の不忘山と後烏帽子岳を左右に置き、真っ白に冠雪した屏風岳が長く横たわっています。右端は蔵王の主峰・熊野岳です。


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 白石川・一目千本桜・蔵王連峰が共演する韮神堰は絶景スポット。錦絵のような風景が写真愛好家を引きよせます。朝早くから県外ナンバーのカメラ愛好家が来ています。雲の動きを見ながら、シャッターチャンスを待っているのでしょう。


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 川は下流に向かって、左を左岸、右を右岸といいます。今回のコースから外れますが、左岸にも桜並木が連なっています。でも渡れません。左岸へは末広橋を渡らないと行けません。韮神堰に渡し舟があると良いのですが‥‥夢の話ですね。


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 韮神堰はこの周辺の田畑を潤す農業用水路ですが、今では絶景スポットとして有名になっています。4月とはいえ、歩いていると少し暑く感じることもあります。そんなときは、韮神堰で水の音を聞きながら、水しぶきを眺めるのもいいですよ。


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 ハイライトコース「大河原駅〜船岡駅」の要所要所に、石に描かれた小さなサインが置いてあります。大河原駅と船岡駅までの距離と所要時間が書いてあるので役立ちます。この韮神堰までが大河原町で、ここから先は柴田町になります。



 韮神堰から600m、徒歩8分で千桜公園(せんおうこうえん)に着きます。千桜公園は鷺沼排水路(さぎぬまはいすいろ)を活用した親水公園ですが、レンギョウ・ハナモモ・ムスカリなどがカラフルに咲き乱れる花の公園となっています。



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 千桜公園に着くと、それまで1列だった桜並木が2列に分かれます。どちらの桜並木でもいいので、気の向くまま歩いてください。桜並木の土手道は桜とレンギョウがコラボレーション。黄色いレンギョウの花がみごとに咲いています。


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 桜並木と桜並木の間には鷺沼排水路が流れています。千桜公園は2017年に完成。それまでこの空間は花見客が入り込めない荒地でしたが、みごとに整備され、レンギョウをメインとした花園に大変身。さすがは「花のまち柴田」です。


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 園内は赤褐色したアンツーカーの散策路がめぐらされ、太鼓橋やあずまやが設置されています。花はサクラのほか、レンギョウ・ハナモモ・ヨシノツツジ・ユキヤナギ・スイセン・ムラサキハナナ・ムスカリetc。すごいことになっています。



 千桜公園と千桜橋(せんおうきょう)は隣接しています。千桜橋は超人気スポット。鉄道で分断されていた一目千本桜と船岡城址公園(ふなおかじょうしこうえん)を結び、往来できるようにした歩道橋です。絶好の展望台にもなっています。



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 千桜橋は2015年に完成しました。一目千本桜と船岡城址公園をつなぐ橋ですから、大勢の花見客が行き交って混雑します。橋の下の広場には飲食店の「さくらマルシェ」や仮設トイレが設置され、夜になると橋と桜がライトアップされます。


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 千桜橋から上流方向をながめてみましょう。3列の桜並木が見えます。1列目と2列目の間には千桜公園が広がり、鷺沼排水路が流れています。2列目と3列目の間を流れているのは白石川です。3重に連なる桜並木はたまらなくゴージャス。


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 向きを変えて下流方向をながめてみましょう。どうですか、この満開の桜のボリューム感。みごとでしょう。桜は下から見あげるも良し、上から見おろすも良し。散歩道は土手の上だけでなく、土手の下の河川敷にも整備してあります。


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 千桜橋は桜と電車のツーショットを撮れる人気スポットです。千桜橋は鈴なりの人だかり。撮り鉄さんたちがカメラを持って、電車が来るのを待ち構えています。あ! 電車がやってきました。電車はお花見サービスで徐行運転しています。


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 50年ほど前のこと。「桜が咲いてます」と、突然の車内放送。私たちには見慣れた風景。話すほどのものではないので苦笑い。でも車掌は桜に感動している様子。あれからです。この桜並木を誇らしく思えるようになったのは‥‥


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 撮り鉄でもないのに、機関車の金太郎に牽引されて走る長い長い貨物列車を見ていると、気持ちがワクワクします。電車と一目千本桜と蔵王連峰のスリーショット。撮り鉄さんたちは、こういうシーンに感動するのでしょう。


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 千桜橋は東北本線と県道50号(旧国道)をまたぎ、一目千本桜と船岡城址公園を直結しています。この橋の完成で、2つの桜名所が目と鼻の先にあるのに、直接行くことができなかった歯がゆさが解消されました。ありがとう柴田町!


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 千桜橋の目の前に、船岡城址公園の「樅ノ木は残った展望デッキ」があります。時間にゆとりがあったら寄り道してみましょう。すこし急な坂ですが、ジグザグに折れ曲がった遊歩道を登ると、大きな樅の木のある展望デッキに着きます。


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 船岡城址公園の「樅の木は残った展望デッキ」から見おろすと、千桜橋はこんな風に見えます。奇抜で前衛的なデザインでしょう。今回は一目千本桜が目的ですから、船岡城址公園はこのくらいにして、土手の桜並木に戻りましょう。



 千桜橋から1000m、徒歩13分で、さくら歩道橋に着きます。さくら歩道橋は船岡駅と対岸の住宅街を結ぶ歩道橋ですが、桜の展望スポットとしても知られています。橋の上からは、一目千本桜と船岡城址公園の桜を同時に見わたせます。



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 一目千本桜は大木が多いことで有名ですが、千桜橋とさくら歩道橋の間も大木の並木が続きます。ソメイヨシノの枝は、ねじ曲がったり垂れさがったり自由奔放で、ちょっと危なっかしい。このように支柱で支えて、折れるのを防いでいます。


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 さくら歩道橋に近づいて来ました。橋の下を流れる白石川は、阿武隈川の最大支流です。白石川は蔵王連峰に源を発し、柴田町槻木付近で阿武隈川に合流して太平洋へ注ぎます。「白石川」は、清冽な感じがする良い名前だと思います。


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 さくら歩道橋は2001年に完成しました。橋の長さは181m。歩道橋ですから自動車は通れません。橋の手前には船岡駅を中心とした市街地が広がり、橋の向こうには北船岡・船迫(ふなばさま)地区の住宅街が広がっています。


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 さくら歩道橋は周囲の景観に溶け込んだ美しいアーチ橋です。この橋が完成したとき、その贅沢な造りに感心したものです。さくら歩道橋は地域を結ぶ道路というだけではなく、いこいの場としてベンチまで設置してあるのです。


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 さくら歩道橋は、一目千本桜と船岡城址公園を一望する必見スポット。豪華絢爛、ラグジュアリーな風景が広がります。船岡城址公園の舘山(たてやま)は標高136m。山頂には台座を含めると高さ24mになる平和観音像が建っています。



 さくら歩道橋から100m、徒歩2分で船岡駅に着きます。船岡駅の開業は1929年。仙南では、越河駅、北白川駅、槻木駅より遅い開業でしたが、今は大河原駅、白石駅と並んで乗降客の多い駅になり、売店(ニューデイズ)も出店しています。



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 ここは船岡駅の北口です。桜並木の土手とは目と鼻の先です。一目千本桜の花見客は、この北口から出入りすると便利です。北口はいわゆる駅裏で、がらんとして殺風景ですが、南口(表口)とは自由通路でつながっています。


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 ここが船岡駅の南口(表口)です。駅前には船岡の中心街が広がり、6階建ての「ホテル原田inさくら」が建っています。立派な歩道が設置された駅前通りは、船岡城址公園へ向かう花見客で大にぎわい。桜の季節は船岡の街が華やぎます。


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 船岡駅の駅舎は船岡城を模したデザインで2階建て。コミュニティプラザを併設しています。一目千本桜は電車利用が便利な「駅近お花見名所」。次もまた電車で来てください。船岡駅から仙台駅まで32分、福島駅までは51分で到着します。

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