スーパータウン列伝昭和47年版
地理と地域スーパータウン大河原
スーパータウン列伝 昭和47年版
制作:千本桜 歌麿
設置日:2017.8.16
最終更新日:2020.12.31
E-mail:tiritotiiki@gmail.com
小さな市より都市的な町たち 昭和47年9月1日現在

はじめに
 市は町より都市的なのが一般的です。ところが、市になれなかった町の中には、小さな市よりも都市的な町もあります。これを、私的造語でスーパータウンと呼びます。当ページは、このようなスーパータウンに着目し、都市機能の集積規模が大きい順にランキングし、個々のスーパータウンについて寸評を記したものです。
 スーパータウンは、市区町村を単位とせず、市街地を単位とした都市の概念です。スーパータウンの選出、都市規模換算人口の算出、都市機能充足率の算出方法は、当ページの姉妹編にあたるスーパータウン一覧 昭和47年版をご覧ください。
スーパータウン散布図 昭和47年9月1日現在
目 次
1・山口県小郡
2・京都府長岡
3・北海道岩内
4・北海道美幌
5・北海道余市
6・広島県五日市
7・北海道遠軽
8・北海道静内
9・香川県琴平
10・宮城県迫
11・和歌山県湯浅
12・京都府向日
13・広島県廿日市
14・長野県下諏訪
15・秋田県鷹巣
16・新潟県巻
17・北海道倶知安
18・佐賀県有田
19・徳島県池田
20・福岡県前原
21・千葉県浦安
22・広島県海田
23・北海道浦河
24・広島県府中
25・長崎県厳原
26・神奈川県湯河原
27・高知県土佐山田
28・福岡県古賀
29・富山県福光
30・埼玉県幸手
31・宮城県大河原
32・福井県三国
33・北海道中標津
34・新潟県亀田
35・群馬県新町
36・鹿児島県志布志
37・鹿児島県加治木
38・京都府峰山
39・新潟県水原
40・兵庫県山崎
41・福島県保原
42・岐阜県笠松
43・兵庫県篠山
44・北海道栗山
45・愛知県西枇杷島

46・和歌山県那智勝浦

47・福島県本宮


1位・小郡(山口県小郡町)
(a)都市規模換算人口 =28,384人
(b)人口集中地区人口=9,604人
(c)都市機能充足率 a/b=296%

小郡の市街地は人口9,604人だが、28,384人分の都市機能を有し、充足率は296%に達する。鉄道交通の要衝で山口県中央部に位置し、県全域を営業テリトリーとする企業の支社、出張所も立地する自立型の超スーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、秋田県本荘市や高知県中村市の市街地と同レベルである。
2位・長岡(京都府長岡町)
(a)都市規模換算人口=25,616人
(b)人口集中地区人口=43,563人
(c)都市機能充足率 a/b=59%

長岡の市街地は人口43,563人だが、25,616人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は59%である。京都市のベッドタウンで人口が急増し、向日町の市街地と連結しているが、自立性に欠けた依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、岐阜県中津川市や新潟県小千谷市の市街地と同レベルである。
3位・岩内(北海道後志支庁岩内町)
(a)都市規模換算人口=23,392人
(b)人口集中地区人口=22,791人
(c)都市機能充足率 a/b=103%

岩内の市街地は人口22,791人だが、23,392人分の都市機能を有し、充足率は103%である。北海道には大きな市街地を形成した町が多く、その筆頭は岩内で、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、福岡県八女市や佐賀県鳥栖市の市街地と同レベルである。
4位・美幌(北海道網走支庁美幌町)
(a)都市規模換算人口=21,648人
(b)人口集中地区人口=17,783人
(c)都市機能充足率 a/b=122%

美幌の市街地は人口17,783人だが、21,648人分の都市機能を有し、充足率は122%である。石北本線から相生線が分岐し、国道や道道が交差する交通の要衝で、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、北海道士別市や山形県天童市の市街地と同レベルである。
5位・余市(北海道後志支庁余市町)
(a)都市規模換算人口=21,040人
(b)人口集中地区人口=16,713人
(c)都市機能充足率 a/b=126%

余市の市街地は人口16,713人だが、21,040人分の都市機能を有し、充足率は126%である。北海道の中では歴史が古く、岩内などとともに早くから町場が形成され、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、奈良県桜井市や佐賀県鹿島市の市街地と同レベルである。
6位・五日市(広島県五日市町)
(a)都市規模換算人口=20,992人
(b)人口集中地区人口=27,995人
(c)都市機能充足率 a/b=75%

五日市の市街地は人口27,995人だが、20,992人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は75%である。廿日市町の市街地と連続状態にあり、急激な発展を遂げているが、広島市のベッドタウンで、依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、北海道美唄市や愛知県犬山市の市街地と同レベルである。
7位・遠軽(北海道網走支庁遠軽町)
(a)都市規模換算人口=20,184人
(b)人口集中地区人口=14,595人
(c)都市機能充足率 a/b=138%

遠軽の市街地は人口14,595人だが、20,184人分の都市機能を有し、充足率は138%である。石北本線と名寄本線が分岐する遠軽駅があり、交通の要衝で、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、新潟県見附市や山口県小野田市の市街地と同レベルである。
8位・静内(北海道日高支庁静内町)
(a)都市規模換算人口=20,144人
(b)人口集中地区人口=12,666人
(c)都市機能充足率 a/b=159%

静内の市街地は人口12,666人だが、20,144人分の都市機能を有し、充足率は159%である。日高地方の中央に位置し、日高支庁所在地の浦河を凌ぐ勢いで、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、新潟県見附市や山口県小野田市の市街地と同レベルである。
9位・琴平(香川県琴平町)
(a)都市規模換算人口=20,032人
(b)人口集中地区人口=10,173人
(c)都市機能充足率 a/b=197%

琴平の市街地は人口10,173人だが、20,032人分の都市機能を有し、充足率は197%である。金毘羅宮の門前町で、多くの土産物屋が並び、観光産業に特化するが、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンでもある。都市機能の集積規模は、山口県小野田市や愛知県江南市の市街地と同レベルである。
10位・迫(宮城県迫町)
(a)都市規模換算人口=18,880人
(b)人口集中地区人口=5,659人
(c)都市機能充足率 a/b=334%

迫町佐沼の市街地は人口5,659人だが、18,880人分の都市機能を有し、充足率は334%に達する。登米郡の中心都市で、小型な市街地に都市機能が密集し、周辺部から買い物客などを集める、吸引力の強い自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、茨城県竜ヶ崎市や愛知県常滑市の市街地と同レベルである。
11位・湯浅(和歌山県湯浅町)
(a)都市規模換算人口=18,000人
(b)人口集中地区人口=10,958人
(c)都市機能充足率 a/b=164%

湯浅の市街地は人口10,958人だが、18,000人分の都市機能を有し、充足率は164%である。熊野街道の宿駅として栄え、有田地方の中心都市で、国や県の出先機関も立地し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、千葉県東金市や広島県竹原市の市街地と同レベルである。
12位・向日(京都府向日町)
(a)都市規模換算人口=17,680人
(b)人口集中地区人口=34,333人

(c)都市機能充足率 a/b=51%
向日の市街地は人口34,333人だが、17,680人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は51%である。京都市のベッドタウンで人口が急増し、長岡町の市街地と連結しているが、自立性に欠けた依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、千葉県東金市や広島県竹原市の市街地と同レベルである。
13位・廿日市(広島県廿日市町)
(a)都市規模換算人口=17,000人
(b)人口集中地区人口=17,157人
(c)都市機能充足率 a/b=99%

廿日市の市街地は人口17,157人だが、17,000人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は99%である。佐伯郡の中心都市で、市街地は五日市町の市街地と連続状態にあるが、ともに広島市に吸引される依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、岐阜県美濃加茂市や岡山県新見市の市街地と同レベルである。
14位・下諏訪(長野県下諏訪町)
(a)都市規模換算人口=16,976人
(b)人口集中地区人口=23,378人
(c)都市機能充足率 a/b=73%

下諏訪の市街地は人口23,378人だが、16,976人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は73%である。岡谷市、諏訪市に吸引される依存型のスーパータウンだが、工業が盛んで、市街地内部に多数の製造業が立地している。都市機能の集積規模は、鹿児島県指宿市や京都府亀岡市の市街地と同レベルである。
15位・鷹巣(秋田県鷹巣町)
(a)都市規模換算人口=16,968人
(b)人口集中地区人口=7,635人
(c)都市機能充足率 a/b=220%

鷹巣の市街地は人口7,635人だが、16,968人分の都市機能を有し、充足率は220%に達する。北秋田郡西部の中心都市で、小型な市街地に都市機能が濃密に集積し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、岡山県新見市や沖縄県平良市の市街地と同レベルである。
16位・巻(新潟県巻町)
(a)都市規模換算人口=16,648人
(b)人口集中地区人口=10,466人
(c)都市機能充足率 a/b=159%

巻の市街地は人口10,466人だが、16,648人分の都市機能を有し、充足率は159%である。肥沃な水田が広がる西蒲原郡の中心都市として、郡役所が置かれていた歴史があり、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、新潟県新井市や富山県滑川市の市街地と同レベルある。
17位・倶知安(北海道後志支庁倶知安町)
(a)都市規模換算人口=16,640人
(b)人口集中地区人口=11,071人
(c)都市機能充足率 a/b=150%

倶知安の市街地は人口11,0716人だが、16,640人分の都市機能を有し、充足率は150%である。後志支庁が置かれ、後志地域の行政の中心地としての役割を担っており、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、富山県滑川市や愛媛県大洲市の市街地と同レベルである。
18位・有田(佐賀県有田町)
(a)都市規模換算人口=16,120人
(b)人口集中地区人口=8,288人
(c)都市機能充足率 a/b=194%

有田の市街地は人口8,288人だが、16,120人分の都市機能を有し、充足率は194%である。陶磁器の製造業を基幹として発展し、商業も陶磁器の卸売業小売業に特化しており、ほかとは産業構造を異にするスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、栃木県真岡市や愛知県稲沢市の市街地と同レベルである。
19位・池田(徳島県池田町)
(a)都市規模換算人口=15,784人
(b)人口集中地区人口=6,773人
(c)都市機能充足率 a/b=233%

池田の市街地は人口6,773人だが、15,784人分の都市機能を有し、充足率は233%である。小型な市街地に都市機能が濃密に集積し、三好郡の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、大分県竹田市や福井県鯖江市の市街地と同レベルである。
20位・前原(福岡県前原町)
(a)都市規模換算人口=15,664人
(b)人口集中地区人口=5,720人
(c)都市機能充足率 a/b=274%

前原の市街地は人口5,720人だが、15,664人分の都市機能を有し、充足率は274%である。小型な市街地に都市機能が濃密に集積し、糸島郡の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、福井県鯖江市や岡山県高梁市の市街地と同レベルである。
21位・浦安(千葉県浦安町)
(a)都市規模換算人口=15,368人
(b)人口集中地区人口=19,312人
(c)都市機能充足率 a/b=80%

浦安の市街地は人口19,312人だが、15,368人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は80%である。北は市川市行徳の市街地に、西は東京都江戸川区の市街地に接し、東京の一部と化して、依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、沖縄県宜野湾市や福岡県中間市の市街地と同レベルである。
22位・海田(広島県海田町)
(a)都市規模換算人口=15,304人
(b)人口集中地区人口=20,557人
(c)都市機能充足率 a/b=74%

海田の市街地は人口20,557人だが、15,304人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は74%である。安芸郡の中心都市だが、膨張する広島市の市街地に飲み込まれ、広島の一部と化して、依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、沖縄県宜野湾市や福岡県中間市の市街地と同レベルである。
23位・浦河(北海道日高支庁浦河町)
(a)都市規模換算人口=15,280人
(b)人口集中地区人口=10,206人
(c)都市機能充足率 a/b=150%

浦河の市街地は人口10,206人だが、15,280人分の都市機能を有し、充足率は150%である。日高支庁をはじめ、国や道の行政機関が置かれ、日高地方東部の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、鹿児島県指宿市や京都府亀岡市の市街地と同レベルある。
24位・府中(広島県府中町)
(a)都市規模換算人口=15,048人
(b)人口集中地区人口=39,285人
(c)都市機能充足率 a/b=38%

府中の市街地は人口39,285人だが、15,048人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は38%である。広島市の市街地に密接して発達し、依存型のスーパータウンとなっているが、工業集積はスーパータウンの中でトップを誇る。都市機能の集積規模は、大分県豊後高田市や新潟県白根市の市街地と同レベルである。
25位・厳原(長崎県厳原町)
(a)都市規模換算人口=14,664人
(b)人口集中地区人口=9,131人
(c)都市機能充足率 a/b=161%

厳原の市街地は人口9,131人だが、14,664人分の都市機能を有し、充足率は161%である。対馬地方を管轄する国県の官公庁が数多く立地し、対馬の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、福井県勝山市や宮城県岩沼市の市街地と同レベルである。
26位・湯河原(神奈川県湯河原町)
(a)都市規模換算人口=14,616人
(b)人口集中地区人口=17,025人
(c)都市機能充足率 a/b=86%

湯河原の市街地は人口17,025人だが、14,616人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は86%である。西部の温泉街から東部の福浦海岸にかけて大きな市街地を形成しているが、中心性の弱い依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、宮城県岩沼市や静岡県袋井市の市街地と同レベルである。
27位・土佐山田(高知県土佐山田町)
(a)都市規模換算人口=13,976人
(b)人口集中地区人口=8,483人
(c)都市機能充足率 a/b=165%

土佐山田の市街地は人口8,483人だが、13,976人分の都市機能を有し、充足率は165%である。物部川の谷口に発展した山田は、香美郡最大の市街地を形成し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、高知県安芸市や埼玉県久喜市の市街地と同レベルである。
28位・古賀(福岡県古賀町)
(a)都市規模換算人口=13,944人
(b)人口集中地区人口=14,359人
(c)都市機能充足率 a/b=97%

古賀の市街地は人口14,359人だが、13,944人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は97%である。市街地形成の歴史は浅く、中心性の低い依存型のスーパータウンだが、福岡市のベッドタウンとして人口が増加し、急速に発展している。都市機能の集積規模は、埼玉県久喜市や長野県塩尻市の市街地と同レベルである。
29位・福光(富山県福光町)
(a)都市規模換算人口=13,928人
(b)人口集中地区人口=6,842人
(c)都市機能充足率 a/b=204%

福光の市街地は人口6,842人だが、13,928人分の都市機能を有し、充足率は204%に達する。小矢部市や砺波市など、競合都市が割拠する砺波平野の中にあって、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、長野県塩尻市や山梨県都留市の市街地と同レベルである。
30位・幸手(埼玉県幸手町)
(a)都市規模換算人口=13,528人
(b)人口集中地区人口=12,263人
(c)都市機能充足率 a/b=110%

幸手の市街地は人口12,263人だが、13,528人分の都市機能を有し、充足率は110%である。隣り合う久喜市の市街地とは互角の都市規模で伯仲し、競合しながら周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、岩手県遠野市や福岡県筑後市の市街地と同レベルである。
31位・大河原(宮城県大河原町)
(a)都市規模換算人口=13,424人
(b)人口集中地区人口=8,198人
(c)都市機能充足率 a/b=164%

大河原の市街地は人口8,198人だが、13,424人分の都市機能を有し、充足率は164%である。柴田郡の中心都市で、仙南地域を管轄する国県の官公庁が数多く立地し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、福岡県筑後市や岩手県大船渡市の市街地と同レベルである。
32位・三国(福井県三国町)
(a)都市規模換算人口=13,408人
(b)人口集中地区人口=9,403人
(c)都市機能充足率 a/b=143%

三国の市街地は人口9,403人だが、13,408人分の都市機能を有し、充足率は143%である。坂井郡の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっているが、昭和20年代をピークに衰退傾向にある。都市機能の集積規模は、福岡県筑後市や岩手県大船渡市の市街地と同レベルである。
33位・中標津(北海道根室支庁中標津町)
(a)都市規模換算人口=13,376人
(b)人口集中地区人口=8,417人
(c)都市機能充足率 a/b=159%

中標津の市街地は人口8,417人だが、13,376人分の都市機能を有し、充足率は159%である。歴史の新しい街だが、奥根室の中心都市として発展が著しく、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンに成長している。都市機能の集積規模は、岩手県大船渡市や岡山県総社市の市街地と同レベルである。
34位・亀田(新潟県亀田町)
(a)都市規模換算人口=13,328人
(b)人口集中地区人口=16,761人
(c)都市機能充足率 a/b=80%

亀田の市街地は人口16,761人だが、13,328人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は80%である。金融保険業の集積が低く、中心性が希薄な依存型のスーパータウンであるが、新潟市のベッドタウンとして人口が増加している。都市機能の集積規模は、岡山県総社市や三重県亀山市の市街地と同レベルである。
35位・新町(群馬県新町)
(a)都市規模換算人口=13,096人
(b)人口集中地区人口=12,885人
(c)都市機能充足率 a/b=102%

新町の市街地は人口12,885人だが、13,096人分の都市機能を有し、充足率は102%である。都市機能の充足率は高くなく、買い物などで藤岡市、高崎市に流出する傾向があり、依存型に転落しそうな自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、鹿児島県出水市や山梨県大月市の市街地と同レベルである。
36位・志布志(鹿児島県志布志町)
(a)都市規模換算人口=13,064人
(b)人口集中地区人口=8,861人
(c)都市機能充足率 a/b=147%

志布志の市街地は人口8,861人だが、13,064人分の都市機能を有し、充足率は147%である。大隅地方東部の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンだが、昭和30年代をピークに衰退傾向にある。都市機能の集積規模は、山梨県大月市や三重県熊野市の市街地と同レベルである。
37位・加治木(鹿児島県加治木町)
(a)都市規模換算人口=13,024人
(b)人口集中地区人口=8,522人
(c)都市機能充足率 a/b=153%

加治木の市街地は人口8,522人だが、13,024人分の都市機能を有し、充足率は153%である。姶良郡の中心都市で、姶良地域を管轄する国県の官公庁が数多く立地し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、三重県熊野市や石川県松任市の市街地と同レベルである。
38位・峰山(京都府峰山町)
(a)都市規模換算人口=12,920人
(b)人口集中地区人口=5,361人
(c)都市機能充足率 a/b=241%

峰山の市街地は人口5,361人だが、12,920人分の都市機能を有し、充足率は241%に達する。丹後地域を宮津市と二分する中心都市で、国や府の官公庁が数多く立地し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、石川県松任市や長野県飯山市の市街地と同レベルである。
39位・水原(新潟県水原町)
(a)都市規模換算人口=12,880人
(b)人口集中地区人口=7,837人
(c)都市機能充足率 a/b=164%

水原の市街地は人口7,837人だが、12,880人分の都市機能を有し、充足率は164%である。肥沃な水田が広がる越後平野にあり、北蒲原郡南部の中心都市として、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、長野県飯山市や広島県庄原市の市街地と同レベルである。
40位・山崎(兵庫県山崎町)
(a)都市規模換算人口=12,824人
(b)人口集中地区人口=6,266人
(c)都市機能充足率 a/b=205%

山崎の市街地は人口6,266人だが、12,824人分の都市機能を有し、充足率は205%に達する。山崎藩の城下町を基盤に発展し、宍粟郡の中心都市として、強い吸引力で周辺部から買い物客などを集める自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、長野県飯山市や広島県庄原市の市街地と同レベルである。
41位・保原(福島県保原町)
(a)都市規模換算人口=12,768人
(b)人口集中地区人口=5,660人
(c)都市機能充足率 a/b=226%

保原の市街地は人口5,660人だが、12,768人分の都市機能を有し、充足率は226%に達する。競合都市の梁川町や桑折町を抑え、伊達郡の中心都市として、強い吸引力で周辺部から買い物客などを集める自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、長野県飯山市や広島県庄原市の市街地と同レベルである。
42位・笠松(岐阜県笠松町)
(a)都市規模換算人口=12,744人
(b)人口集中地区人口=14,981人
(c)都市機能充足率 a/b=85%

笠松の市街地は人口14,981人だが、12,744人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は85%である。岐阜市に吸引される依存型のスーパータウンであるが、江戸期に河港として発展し、明治期には県庁が置かれた華やかな歴史を持つ。都市機能の集積規模は、広島県庄原市や三重県久居市の市街地と同レベルである。
43位・篠山(兵庫県篠山町)
(a)都市規模換算人口=12,672人
(b)人口集中地区人口=6,116人
(c)都市機能充足率 a/b=207%

篠山の市街地は人口6,116人だが、12,672人分の都市機能を有し、充足率は207%に達する。多紀郡の中心都市として、強い吸引力で周辺部から買い物客などを集める自立型のスーパータウンだが、昭和20年代をピークに衰退傾向にある。都市機能の集積規模は、三重県久居市や山梨県塩山市の市街地と同レベルである。
44位・栗山(北海道空知支庁栗山町)
(a)都市規模換算人口=12,416人
(b)人口集中地区人口=7,781人
(c)都市機能充足率 a/b=160%

栗山の市街地は人口7,781人だが、12,416人分の都市機能を有し、充足率は160%である。栗山村が町制を敷いたのは昭和24年と新しいが、夕張郡の中心都市に成長し、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、栃木県矢板市や宮城県角田市の市街地と同レベルである。
45位・西枇杷島(愛知県西枇杷島町)
(a)都市規模換算人口=12,384人
(b)人口集中地区人口=17,204人
(c)都市機能充足率 a/b=72%

西枇杷島の市街地は人口17,204人だが、12,384人分の都市機能を有するにとどまり、充足率は72%である。東は名古屋市の市街地と、西は新川町の市街地と連続していて、名古屋市に吸引される依存型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、栃木県矢板市や宮城県角田市の市街地と同レベルである。
46位・那智勝浦(和歌山県那智勝浦町)
(a)都市規模換算人口=12,224人
(b)人口集中地区人口=7,327人
(c)都市機能充足率 a/b=167%

那智勝浦の市街地は人口7,327人だが、12,224人分の都市機能を有し、充足率は167%である。県内一の漁港をかかえ、漁業と観光業が盛んな勝浦の市街地は、周辺部から買い物客などを吸引する自立型のスーパータウンでもある。都市機能の集積規模は、愛媛県伊予市や島根県平田市の市街地と同レベルである。
47位・本宮(福島県本宮町)
(a)都市規模換算人口=12,048人
(b)人口集中地区人口=5,360人
(c)都市機能充足率 a/b=225%

本宮の市街地は人口5,360人だが、12,048人分の都市機能を有し、充足率は225%に達する。奥州街道の宿場町を基盤として発展した市街地は、強い吸引力で周辺部から買い物客などを集める自立型のスーパータウンとなっている。都市機能の集積規模は、島根県平田市や長崎県平戸市の市街地と同レベルである。
おわりに
 昭和47年当時のスーパータウンの中には、その後、人口が増加して市になったり、合併して市域に組み込まれたりして、スーパータウンを卒業している町があります。スーパータウンを卒業した町は以下のとおりです。カッコ内は現在の市名です。
小郡(山口市)・長岡(長岡京市)・五日市(広島市)・迫(登米市)・向日(向日市)・廿日市(廿日市市)・鷹巣(北秋田市)・巻(新潟市)・池田(三好市)・前原(糸島市)・浦安(浦安市)・厳原(対馬市)・土佐山田(香美市)・古賀(古賀市)・福光(南砺市)・幸手(幸手市)・三国(坂井市)・亀田(新潟市)・新町(高崎市)・志布志(志布志市)・加治木(姶良市)・峰山(京丹後市)・水原(阿賀野市)・山崎(宍粟市)・保原(伊達市)・篠山(丹波篠山市)・西枇杷島(清須市)・本宮(本宮市)

 それに対し、岩内・美幌・余市・遠軽・静内・琴平・湯浅・下諏訪・倶知安・有田・海田・浦河・府中・湯河原・大河原・中標津・笠松・栗山・那智勝浦は、現在も市制施行に至らず、スーパータウンを継続しています。これらのスーパータウンは、今も町並みに都市的な雰囲気を残し、一般的な町とはどこか違うぞという感じがするはずです。なお、静内は現在、新ひだか町を名乗っています。
 特筆すべきは大河原と中標津です。スーパータウンとは言えども、岩内・琴平・湯浅のように勢力を縮小している町が多いなか、大河原と中標津は昭和47年以降も市街地の規模を拡大し、圏域における重要性を増大させています。2つの町に共通するのは、商圏争奪の都市間競争において、市を負かしてしまったことです。大河原は仙南圏の中で白石市・角田市を上回る商都に発展し、中標津は根室支庁圏において根室市を上回る商都に発展しています。町は市よりも田舎で非都市的という概念を笑い飛ばすように、市町逆転現象を巻き起こしている大河原と中標津に熱いエールを送ろうではありませんか。
参考文献
昭和47年事業所統計調査報告 別巻「国勢統計区,人口集中地区編」(昭和49年4月発行)総理府統計局
昭和45年国勢調査報告 別巻「わが国の人口集中地区」(昭和46年発行)総理府統計局
地理と地域スーパータウン大河原>スーパータウン列伝 昭和47年版