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「桜の下でキセキの再会」は、白桃市町村人口研究所 白桃酔夢氏の寄稿です。
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お江戸は青山の御屋敷にてバァやに育てられたという経歴が物凄くウサン臭い、その方の書き込みを見て、「アレ、昨晩酔っぱらってこんな事、書き込んだかな?」と目をシロクロさせた私。それが書き込まれたのは、さるやんごとなきお方が開設したホームページにある地理雑学ネタが書き込まれた「掲示板」。公序良俗に反するもの、誹謗中傷記事以外であれば誰が何を書き込もうと自由なのですが、結構マニアックなものが多いのです。それは、自分では普通だと思っていても、世間から「変わり者」扱いにされているヒトの集まりですから、仕方がないのです。
ところで、驚いたその日の書き込みというのは、私の地理的嗜好、感性とピッタリだったのです。「世の中には自分と容姿が似ているのが7人いるって聞くが、地理的嗜好や考えがこうまで似ている人が存在するとは・・・」と思った次第ですが、「メンバーの中に、私以外にマトモな方がいるとは・・・」と思ったことは内緒にしておきましょう。 その書き込みの投稿者は千本桜歌麿(せんぼんざくらうたまろ)(当時は別名)さん。なんでも宮城県のスーパータウンに住んでいるらしい。感銘した私の名前は、白桃酔夢(はくとうすいむ)。♪スイム・スイム・スイ〜ム、すねて渚にきたものの〜あぁ昭和の青春歌謡。四国の片隅にある「まぼろしの大都会」から都(みやこ)に来てから幾年ぞ?今は都ではないのに、「東京」と名の付いたあの超有名なテーマパークがある千葉県の街に住んでいます。 実は、その後、千本桜さんと東京の某所でお会いしたのですが、そのときは他のメンバーも居て、チラっとお話をしただけです。ただ、わざわざスーパータウンから来られるなんて思ってもいなかったので驚き、印象も鮮烈でした。そしてこの日、いつか白石川堤一目千本桜をひとめ見ん、と心に決めたのでした。 その日は案外早くやってきました。2004年4月。ウワサのスーパータウンに降り立った私。なぜか妻も同行しています。まず、習性である駅前の景観鑑賞。「なかなかやるな、この街。人口規模以上の顔をしている。」というのが第一印象。駅からまっすぐ歩いて橋を渡り、対岸を振り返る。何とそこには観音様がある山を背に延々と続く桜並木、というより桜の密林。夕映えのピンクより濃密なピンク色が連らなっていたのであります。景色を見てこれほど感動したのは国内海外問わず初めて。感受性の低い私がこうですから、当然、日頃は口うるさい妻も10秒間無言状態。 船岡駅前のホテルに泊まった翌日、船岡城址公園を見たあと、白石川に沿って右に左に歩く歩く。そのうち「さくら船岡大橋」まで来ると漸く“桜密度”も低くなり、さてどうするかと迷った挙句、大河原方面に戻ることに。 この選択が、私の人生を変えたのです。 「末広橋」まで戻ったとき、ふと橋の袂を見ると、交通整理をしているその人、まさか???・・・その、まさか、でした。何万人も住むスーパータウン大河原(実際は2万4千人に届いていないのですが・・・)でアポなしでお目当ての方に会えるとは!(このときは、千本桜さんのご住所も連絡先も知りませんでした。)これぞ、奇跡?いや奇蹟?どっちか分からないので取りあえずキセキにしときましょう。 それからほぼ毎年、大河原を訪れるようになりました。メデタシ、メデタシ。 おっと、これで終わりではありません。 次回は、千本桜さんのご案内で訪れた町々のお話、の予定です。 編集:千本桜 歌麿 原稿をお寄せいただきましてありがとうございました。一目千本桜を「桜の密林」に例えていただき、恐悦至極に存じます。「地理文学」という新たなジャンルの先駆者、白桃酔夢様ならではのお言葉です。引き続き、「南奥羽の小さくとも光る街々」、「競合か連携か?大河原町と柴田町」、「恋して大河原」などのご寄稿を楽しみにしています。 |
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