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2024年10月、米沢・長井方面へ1泊2日の旅をした。当ページは、その2日目の記録である。白布(しらぶ)温泉を出発して長井へ。目指すは長井ダムの奥に眠る神秘の秘境・三淵(みふち)渓谷だ。陸路がないため、ボートやカヌーでしか行けない穴場スポットである。ついでに、国登録有形文化財の旧長井小学校第一校舎も見学することにした。
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白布温泉 中屋別館不動閣
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旅行2日目の朝、白布温泉は雨降りで、予定していた白布大滝の早朝散歩は断念。宿泊した中屋別館不動閣も小雨に濡れている。中屋別館は、大型ホテルが好きな私には少し物足りないが、ひなびた感じで良い旅館だった。朝食を済ませ、長井へ向かって出発だ。
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長井へ
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長井で有名なのは、あやめ公園。佐原・潮来・長井の「あやめ園」が日本三大あやめ園だとか。でも今回の目的地は、長井市民でさえ知る人の少ない秘境・三淵渓谷である。三淵渓谷は合地沢(がっちざわ)湖面広場からレスキュー用ゴムボートに乗って行く。しかし、その前に「野川まなび館」で乗船手続きをしなければならない。
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道路標識 経路案内板
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国道287号を走行し、長井の館町南交差点にさしかかった。この交差点を左折すると長井ダムへ行くはずだが、経路案内板には左折「飯豊」と書いてある。長井ダムへ左折するのはもっと先かと勘違いし、そのまま直進。寒河江方向へ走ってしまった。
ここから迷走が始まった。方向感覚が狂ってきたぞ。頭はパニック。ボートの出発時刻が迫ってくる。あぁ、ボートに乗り遅れる。野川まなび館へ電話しなくては。「乗船予約していた者ですが、道に迷っています」と告げると、「長井ダム方向へ進んでください」とのこと。だから、その長井ダムへの行き方がわからなくなったんです! |
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野川まなび館
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予定時刻を大幅に過ぎてしまったが、やっと野川まなび館に到着。野川まなび館は、ながい百秋湖や三淵渓谷の観光拠点。ここで乗船手続きをして、ゴムボート乗り場の合地沢(がっちざわ)湖面広場へ向かう。
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ながい百秋湖 合地沢湖面広場
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野川まなび館から先は、県道252号を木地山(きじやま)方面に向かって走る。道は登り坂。トンネルを2つ通りぬけ、どんどん山の中へ入って行くが、道路は整備されていて快適。予定時刻を過ぎているが無事にボート乗り場に到着した。
合地沢湖面広場は深い山の中。ここから三淵渓谷めぐりのゴムボートが出る。駐車場と仮設トイレはあるが、ほかには何もない。天気は雨が降ったり止んだり、くるくる変わる。対岸の白い建物は野川第二発電所。係員にポンチョを着せてもらい、6kmの行程を1時間かけて遊覧するボートツアーへ出発だ。 |
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ながい百秋湖 遡上
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合地沢湖面広場の前には長井ダムの「ながい百秋湖」が広がっている。長井ダムは最上川支流の野川を堰き止めて作られた。「野川」という川名は優しそうに聞こえるが、昔は暴れ川だったそうだ。
ゴムボートは百秋湖の上流を目指して進んで行く。風がないから揺れもなく、霧がかかって幻想的だ。ゴムボートに乗るのは初めてだから内心はハラハラ。しかし、前後左右に展開する見事な紅葉が不安を打ち消してくれる。 お! 向こうからゴムボートがやってきた。みんな楽しそうに手を振っている。こういう時って、なんで手を振るのかわからないけど、こちらも手を振ってご挨拶。もうすぐ三淵渓谷にたどりつく。 |
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三淵渓谷
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出発から20分。ゴムボートは百秋湖の上流端に到達した。ここには以前、龍神を祀る三淵神社があったそうだが、ダム建設のために移転して今は跡地となっている。
三淵渓谷は龍神伝説が伝わる聖域なので、渓谷へ入ることを参拝という。船頭さんに促され、ボートに乗ったまま両手を合わせて参拝。いよいよクライマックス、三淵渓谷「通り抜け参拝」が始まるのだ。 ゴムボートは、大きく向きを変えて渓谷へ入って行く。それまでは広い湖面を航行していたが、ここから先は川幅が一気に狭くなる。川幅は狭い所で3m。両岸は切り立つ断崖。高さ50mの断崖絶壁が200m以上も連なる。渓谷というより峡谷と呼ぶ方がふさわしい感じだ。 この風景、どこか宮崎県の高千穂峡を思い起こさせる。神秘的で異次元の世界だ。スリルと興奮を乗せ、ボートは水面をなめるように、ゆっくり進んで行く。両岸の絶壁は花崗岩だろうか。いかにも硬そう。 三淵渓谷は最上川の支流「野川」によって形成された渓谷。このまま野川を遡ると朝日連峰の平岩山にたどり着くが、通り抜け参拝は300mほど航行してUターンする。 |
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ながい百秋湖 流下
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三淵渓谷の通り抜け参拝を終え、再び百秋湖へ。遡上と同じコースを流下するが、紅葉がみごとだから何度見ても飽きないだろう。百秋湖の面積は七ヶ宿湖や釜房湖の3分の1弱。それほど大きな湖ではないが、険しい山々に包まれているので圧迫感があって見ごたえがある。
所々に滝が点在し、赤や黄に色づいた山から白糸のように落ちている。空模様は、霧が出ているのに青空が見えたりで相変わらず不安定。悪天候なのだろうが、霧が秘境の神秘性を高めてくれたと思うと感謝したくなる。 |
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ながい百秋湖 ゴムボート下船
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ながい百秋湖と三淵渓谷を堪能し、ボート乗り場に戻ってきた。あとは長井へ行って昼ご飯を食べよう。ところが、ここでアクシデント。車のエンジンがかからない。しまった! トンネルを通ったとき、ライトを消しわすれたのだ。
JAFを呼ぼうとしたら、「ここは携帯がつながりません」と係員の声。えー、今時そんなのあり? 「もうひとり係員が来ますからブースターケーブルを持ってきてもらいましょう」ということで、なんとか助かったが、どうなることかとゾーッとした。 |
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ながい百秋湖 右岸展望広場
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右岸展望広場に車をとめて百秋湖を眺望。川は上流から下流に向かって右側を右岸、左側を左岸という。近くには湖面をまたぐ龍神大橋がある。季節は秋の真っ盛り。雨があがって青空も出てきた。広場にいた若いカップルにシャッターを切ってもらい記念撮影。今回の旅行は私を含め、大河原町民生委員の前会長・大沼忠さんなど4名だった。
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道の駅「川のみなと長井」
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道の駅「川のみなと長井」は国道287号に面し、市街地に立地しているので、街歩き観光の駐車場として使われることも多いようだ。長井は最上川の舟運で栄えた町。道の駅の脇に横たわる土手に上ってみよう。大きな最上川が流れている。
時刻はもうすぐ午後1時。昼ご飯の時間だ。ランチは道の駅でもできるが、旧長井小学校第一校舎内のカフェで食べる予定だ。 |
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旧長井小学校第一校舎 外観
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道の駅「川のみなと長井」に駐車して旧長井小学校第一校舎へ。旧長井小学校第一校舎は国道287号を挟んで道の駅の向かい側。徒歩2分で到着した。この建物は以前から気になっていたが、入館するのは初めてだ。
赤味を帯びた外壁と白ラインが印象的な木造建築。通路に植栽された樹木と相まって、北海道に来たような感じがする。玄関で靴を脱ぎ、中に入ってみよう。 |
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旧長井小学校第一校舎 内観
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旧長井小学校第一校舎は、昭和8年に地元の有志たちによって建設された。木造2階建て、延べ床面積2,300m2、長さ約93m、幅約11m、高さ約12mで、現存する木造校舎としては最大級の大きさを誇り、平成27年まで長井小学校の現役の校舎として使用されてきた。
この建物は廊下の床板を保全するために土足では入れない。玄関で靴を脱いで入ってみた。ピカピカに磨かれた廊下が目に飛び込んできたではないか。このピカピカトロトロには感動さえ覚える。旧長井小学校第一校舎は平成21年に国の登録有形文化財となった。 |
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旧長井小学校第一校舎 メニーズカフェ
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現在、旧長井小学校第一校舎の職員室はメニーズカフェという名のカフェになっていて、コーヒーとケーキのほかにカレーやパスタを食することができる。期待しないでパスタを注文したが、これが意外に美味しかった。
長井は競技用けん玉の生産量が日本一とか。カフェの隅にさりげなく、けん玉が置いてあった。ちなみに、けん玉発祥の地は広島県廿日市とのこと。 |
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南陽市宮内 熊野大社
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長井の次は南陽市の熊野大社へ。大鳥居の扁額には「熊野神社」、拝殿の提灯には「熊野大社」と書いてある。神社と大社。どちらも正しいのだが、どのように使い分けているのか気になる。ちなみに、角川地名大辞典や南陽市文化財目録は熊野神社。県や市が発行する観光パンフレットは熊野大社と記している。
熊野大社は何度か訪れているので、同行者が参拝しているあいだ駐車場で仮眠していた。写真を撮っていないので、サイトから拝借した写真を掲載する。熊野大社のあとは、高畠と七ヶ宿の道の駅に寄りながら無事帰着した。 |
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