地理と地域旅行記 写真
制作:千本桜 歌麿
旅行:2025年9月2日
文:2025年11月
公開:2025年11月25日
E-mail:tiritotiiki@gmail.com

 家族を連れて磐梯吾妻スカイラインへ日帰り観光。東北中央道の大笹生(おおざそう)インターで高速道路を降り、道の駅「ふくしま」で一休み。高湯温泉でたまたま見かけたレストラン&スパ「湯食館」で昼食と入浴。高湯温泉からスカイラインをグングン登って浄土平へ。季節は9月。下界はまだまだ暑いのに、標高1600mの浄土平にはススキの穂が揺れ、涼しい風が吹いていた。
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道の駅ふくしま
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 白石インターから高速道路を走り、道の駅ふくしまへ向かった。道の駅ふくしまは東北中央自動車道の大笹生(おおざそう)インターに隣接し、吾妻小富士や一切経山が見えるのどかなロケーション。福島県の統計によると、福島市の果実出荷額は2位の伊達市を大きく引き離してダントツの1位。さすがはフルーツ王国だけあって、店内にはブドウ、ナシなど季節の果物がたくさん陳列してあった。


高湯温泉 湯食館
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 高湯温泉の入り口でたまたま見かけた湯食館(ゆうしょくかん)。ハンガリー料理のレストランらしい。ハンガリー料理とは珍しい。しかも、食事をすると入浴が無料になるとのこと。そんなわけで、きょうのランチはここに決めた。湯食館の建物は以前、「のんびり館」という名の日帰り入浴施設だったが2021年に閉館。そのあとに入居したのが、レストラン&スパの湯食館である。


湯食館でランチ
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 ランチはAとBの2種類。Aセットは前菜、スープ、メイン、デザート、コーヒー付きで3,300円。 Bセットはメインにスープが付いて2,500円。いずれのセットも入浴料1,200円が無料になる。ハンガリー料理は初めてなので、高いか安いかわからないがAセットを注文。
 厨房ではハンガリー人のシェフが腕をふるい、給仕のお姐さんもすこぶる感じが良い。メイン料理のスペアリブも柔らかくて美味しかった。ありがたかったのは、大きなイスとテーブルでゆっくり食事ができたことだった。それだけで贅沢な気分になれる。小さなテーブルは狭苦しくて苦手だ。


湯食館で入浴
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 食事のあとは入浴。風呂は内湯と露天の2つ。まず内湯から。ほかに入浴客はおらず、独り占め状態。「締切厳禁」の注意書きが貼ってある。硫化水素中毒を防ぐために、窓は開けっ放しにしておくそうだ。おっ! 湯花が沈殿している。白濁色の硫黄泉で源泉掛け流し。名湯の誉れ高い高湯温泉にどっぷり浸れて気持ちいい。
 露天風呂へは、いったん外に出て木製の外階段を降りて行く。ここにも誰もいない。ひとりだけの贅沢な空間だ。高湯温泉の共同浴場「あったか湯」は混んでいて落ち着かないが、ここなら落ち着ける。


磐梯吾妻スカイライン
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 磐梯吾妻スカイラインは高湯温泉を起点とし、土湯峠を終点とする観光道路。吾妻の山並みを縦断して走るが、磐梯山をカスリもしない。それなのに磐梯吾妻スカイラインと呼ぶのはなぜだろう。単に吾妻スカイラインで良さそうな気がするのだが……。そんなことを思いながら、ヘアピンカーブが連続する登り坂をドライブ。車は絶景スポットの不動沢橋、そしてスカイラインのハイライト「浄土平」へと進んで行く。


つばくろ谷と不動沢橋
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 高湯温泉から磐梯吾妻スカイラインを走って15分、展望スポットの不動沢橋に到着。不動沢橋は「つばくろ谷」に架かる長さ170m、高さ84mの大きな橋。遠くに福島市街を望む大パノラマが展開するが、橋の上は駐車禁止。右折して「つばくろ谷駐車場」に車を入れた。つばくろ谷と不動沢橋は紅葉の名所。10月にはダケカンバ、モミジ、ナナカマドなどが色づいて、紅葉狩りの観光客で賑わうことだろう。


シモフリ山
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 不動沢橋を通り、浄土平を目指して走る。海抜1400mあたりから景色が変わってきたぞ。樹木がなくなり、地肌むき出しの火山風景になってきた。あの世のような異様な雰囲気。特にシモフリ山の白い山肌は妖しくて不気味な感じ。
 硫黄平は火山性ガスが発生するので、「窓を閉めて走行して下さい」の看板が連発。でも、この看板は矛盾している。スカイラインはバイクや自転車も通行するのだ。バイクは窓を閉められるか。


浄土平
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 スカイラインは安全に走れる観光道路だが、シモフリ山の山腹を通過するときはヒヤヒヤする。左は崖。谷底に転げ落ちたら大変だ。右側には落石防止の頑丈な鉄製防護柵が連なっている。この重厚な鉄柵は苦手だな。緊張がのしかかる。そんな場所を通り抜け、浄土平駐車場へ着いたのは夕刻近い15時30分だった。
 浄土平は吾妻山の登山基地。そしてスカイラインの観光基地。レストハウス、天文台、ビジターセンターなどの施設はあるが、山の観光地は閉店時間が早い。浄土平湿原の散策を終えてレストハウスで休もうとしたが、すでに閉店していた。


吾妻小富士
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 浄土平駐車場の東側に吾妻小富士が見える。駐車場から眺めると、なだらかで穏やかな丘のように見えるが、山頂には直径500m、深さ70mの大きな火口が口を開けている。火口の縁へは、階段を登れば10分ほどでたどりつく。スニーカーでも登れるので、同行者たちは吾妻小富士にプチ登山。その間、私はひとり浄土平湿原を散策。下界はまだまだ暑いのに、浄土平には涼しい風が吹いていた。


一切経山
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 浄土平駐車場の北西に一切経山が見える。山腹の大穴火口から噴煙を上げている活火山だ。噴煙の上方に山頂らしき稜線が見えるが、これは見せかけの山頂。本当の山頂は奥の方に隠れているので、浄土平から拝むことができない。見せかけの山頂に隠れて姿を見せないなんて、なんだか神秘的な山に思えてきた。ちなみに山名は、安倍貞任が仏教経典「一切経」を山に埋めたという伝説に由来するとか……。


浄土平湿原
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 連れの二人が吾妻小富士へ登っている間、私は浄土平湿原を散策。木道が整備され、20分で一周できるコンパクトな湿原。この湿原は3ヶ月ほど前にも歩いたばかり。あの時は5月で、枯れ草の世界だったが今度は違う。ススキの穂が揺れているが、まだ山野草が彩りを放っている。濃い青紫のエゾオヤマリンドウ、黄色いミヤマアキノキリンソウ、白色のヤマハハコ、ウメバチソウなどが咲いていた。


道の駅つちゆ
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 浄土平から鷲倉温泉、新野地温泉、野地温泉を通って道の駅つちゆへ。道の駅つちゆは1993年にオープン。福島県で最初にできた道の駅である。時刻は17時。閉店時刻が迫っていたせいか駐車場はガラ空き。道の駅を出て国道115号を走行。「くだもの畑」という名の果物店で一休み。同じ敷地内の「ハニービー」という店でハチミツをかけたジェラートを食し、福島西ICから東北自動車道を走って家路についた。

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