国土地理院の「５万分の１地形図」に出会ったのは小学生の時だった。以来、地形図を見るのが好きになり、地図製作を職業とするようになった。しかし、たまには地形図だけでなく鳥瞰図（ちょうかんず）なども描きたくなる。地形図は上空から地表面を垂直に見下ろした平面図で、図式規定に沿って客観的に描かれる。それに対し、鳥瞰図は斜めに見下ろした立体図で、描き手の主観によるデフォルが許される。鳥瞰図は絵として捉えられがちだが、私はあくまでも地図と思い、地名などが白フチなしの黒文字で入ることを前提にして描いている。従って、文字の判読を邪魔しないように淡い色彩で描くことになる。
作文 2019年1月11日